お酒大好き公認会計士のつぶやき

大阪で会計事務所を営む公認会計士です。自分の趣味や社会の出来事、特に会計や税金について書いていこうと思います。旅行も好きです。ラスベガスに毎年行くのが目標です。

2022年9月 ラスベガス旅行記⑤ 3年ぶりのラスベガス 旅行で食べた物とその値段・・・

1週間程滞在していましたので、色んな所で食事をしました。

便利さで言うとPark MGMの中にあるEatalyが便利でリーズナブルな価格なので今回も4,5回ほど行っています。

コロナの前にも紹介する記事を書いていました。

 

umekisancpa.hatenablog.com

 

Eatalyは2021年にGINZA SIXにも出来ていますね、流行ってるんでしょうか。

 

普通にご飯を撮っただけで映える用に加工とかはなんもしていませんが、雰囲気とアメリカというかラスベガスの物価感がわかりますでしょうか。

換算は150円/$、消費税8.36%とチップ(レストランだと会計の約20%)は含めていません。

●Eatalyのステーキ屋さんでの夕食

リブアイステーキ 39$、カプレーゼ12$、ズッキーニのグリル10$、ワインボトル64$ 計125$(18,750円)

アメリカのステーキはやっぱり美味しいです。価格も39$とリーズナブル(円換算しなければ)、女子2名やカップルであれば十分に足ります。

●Eatalyのサンドイッチ屋さんでの昼食

左がサンドイッチ15$、右がチキンのカツレツ(メニューのイタリア語も調べないまま適当に頼みました)24$ 計39$(5,850円)

カツレツは正直いってミスりました。チキンをペラペラに伸ばしただけだし、美味しくも無かったです。

●Eatalyのワイン屋さんで飲んだくれ

ハッピーアワーのワイン3杯セット 左側10$、右側15$、モッツァレラチーズのサンド14$、前菜盛り合わせ23$、赤ワインボトル52$(持ち込み料20$込) 計114$(17,100円)

ハッピーアワーだけで足りるかなぁ、と思っていたのですが、飲み足りなくて結局ボトルを追加することに。前菜盛り合わせがすごい量で晩ご飯がいらない位です。

●ニューヨークのステーキハウスの老舗 Gallaghers Steakhouseで夕食

NYNYにあるステーキハウスで、ドライエイジングビーフが名物です。他にもステーキハウスが沢山あるのですが、何となくここに来てしまいます。以前行った時はフラッと入れたのですが、金土日とほぼ満席で2日前から予約を入れておきました。

カプレーゼ14$、シュリンプスカンピ24$、肝心のステーキを撮り忘れましたがPrime NY Stripが68$、赤ワインボトル100$ 計206$(30,900円)

肉は赤身ですが、よく熟成されているためとても柔らかく、肉の旨味を良く感じられて非常に美味しいです。

●IN-N-OUT HAMBURGERSで夕食

アメリカ西海岸で人気のハンバーガー屋さんです。リンクホテルの近くにあります。人気店だけあって、朝から晩まで行列が絶えないようです。

ハンバーグとポテトとドリンクのコンボ10$(1,500円)

ラスベガスにしては破格の安さ。色々と裏メニューがあるらしく”アニマルスタイル”のセットを食べました。ドリンクはフリーリフィルです。意外に量が多くないので、もう一つ位は食べられそう。

●NYNYのBroadway Burger Grillで昼食

チーズバーガーのセット 14$、ビール11$ 計25$(3,750円)

NYNY内のレストランはどこもNYをイメージしたレストランです。行ったことが無い店に行こうということで入ってみました。味はまー普通かな。クラフトビールが沢山ある店でビールとハンバーガーの相性が良かったです。

●ELLIS Islandで昼食

カジノ編でも紹介したエリスアイランドです。中心地から離れている、こじんまりとしたカジノホテルです。ここはカジノ内のレストランが有名で、かなり安い値段でそこそこおいしい食事をすることができます。

給仕の黒人のおばさんは良い人でしたが、早口すぎてほぼ何言ってるかわかりませんでしたが・・・隣に来たヨーロッパ系の家族も何回も聞き直していたので安心しました。

シュリンプスカンピ18$、ステーキのセット15$、ビール4$と6$ 計43$(6,450円)

ステーキのセットはモーニングだったら確か9$程で食べられるようです。肉は硬いですけどね。ここは何と言っても自家醸造しているビールが最高です。ストリップ地区では12$や14$のクラフトビールが半額以下で飲めます。レストランだとこの値段ですが、キャッシュオンのバーでは3$とチップ1,2$で飲めるので、ビール好きにはたまりません。カジノも賭け金安いので、軽く遊んだのですが、全額負けたので結局高くつきましたが(笑

●Bacchanal Buffetで夕食

バッカナルバフェはシーザースパレス内にあり、全米No.1とも言われるバフェです。平日・週末問わず、常に予約で一杯のようです。私も2,3週間前には予約して何とか遅めの時間に入ることができました。

カニ、ロブスター、ザリガニ、ムール貝、ハマグリと海鮮系が充実しており、メキシコ、中華、イタリアン、日本食等々、世界中の料理を楽しむことができます。

個人的にはロブスターの解凍がイマイチだったのか、身がボソボソしていて美味しくなかったです。カニを食べる時は手がベタベタになりますが、日本のレストランのようなおしぼり文化はありませんので、気になる方はウェットティッシュが必須です。

バッカナルバフェ 80$(12,000円)

●Eatalyで最後の夕食

食事の直前にやっていたBJに勝てばBellagioのPrime Steakhouseと決めていましたが、華々しく負けてしまいましたので、またEatalyに来ました。

食べ物は同じようなもんですが、ヤケ酒でワインボトルが2本になってます。

リブアイ39$、キノコのソテー10$、カプレーゼ12$、赤ワインボトル70$、白ワインボトル25$ 計156$(23,400円)

●シアトルのマリオットホテル内のレストランで夕食

帰国時のデルタ航空のラスベガスからシアトル便の飛行機が機材トラブルで飛ばなくなってしまい、朝7時の便が15時の便に振り替えられてしまいました。そのため、羽田行きの飛行機は翌日便となり、已む無くシアトルに宿泊する羽目に。シアトルのカウンターで空港近くのマリオットを手配してもらいました。食事も通常の範囲内であれば、デルタ航空が負担するという事で、気軽にタダ飯です(チップ代は自己負担)。

ビール2杯18$、ダンジネスクラブケーキ19$、シーザーサラダ(映ってないけど)12$、ステーキとエビのプレート43$、赤ワインボトル38$ 計130$(19,500円)

シアトルはラスベガスに比べるとホテルでも値段が少し安く感じます。ワシントン州はワインの生産地でもありますので、肉自体はそんなに・・・という感じでしたが、料理と合わせやすい味で美味しかったです。

 

という訳で、色々っていうほどでもないですが紹介してみました。

日本円にするとやっぱり高く感じますね。来年行くときはせめて130円位だと気分的にも楽なのですが。結構同じ所に行ってしまうので、次回は新規開拓頑張ります。

2022年9月 ラスベガス旅行記④ 3年ぶりのラスベガス カジノのテーブル事情について

アメリカはすっかりアフターコロナということで、観光客は戻っている印象を受けましたが、カジノのテーブル事情は2019年以前とはかなり変わっていました。

 

ライブポーカーは有名なYoutuberの方が沢山動画出していますので、卓の状況や手数料は動画を見てるとホテル毎に大体わかると思います。1週間程度の滞在で、買い物や食事も楽しみたいので、長時間プレーしなければならないキャッシュゲームは手が出しづらいです(下手なだけですが)。

という訳で、展開が早いブラックジャック(BJ)や、サイコロを投げるCrapsを毎回主にプレーしています。

コロナの前に行った記事を見ていると、BJでは2Decksのテーブルもあったのですが、カジノ側の時間効率が悪いためだと思いますが、一般フロアでは全く見ませんでした。

umekisancpa.hatenablog.com

今回プレーしたカジノのミニマムベットは以下の感じです。BJの時の払戻が1.5倍のテーブルです。ストリップのカジノでは1.2倍払戻が主流になっています。大幅に不利になりますので、1.5倍テーブルを探さなければなりません。

MGM系列

Bellagio BJ 50$(平日or深夜)、100$(土日) 4Decks

                Craps 25$(土日のピークタイムのみ50$の時あり。Odds賭けは×3-4-5)

Park MGM  BJ 25$ 6Decks 一番奥のテーブル一つだけがこの条件でした。

                Craps 25$(平日の昼だけたまに15$あり。Odds賭けは×3-4-5)

NYNY  BJ 25$ 6Decks

                Craps 25$(15$は一度も見ず。Odds賭けは×3-4-5)

その他

ELLIS Island BJ 5$ 6Decks 

       Craps 5$(Odds賭けは×10)

というわけで、他のMGM系列も似たようなものだと思いますが、特にCrapsのミニマムレートが上がっているように感じました。前は10$テーブルもあったように思います。テーブルにディーラーが3名いる必要があるのと、1ゲーム当たりの時間効率が悪いからですが。

ELLIS Islandはストリップからは少し離れていて、Bally’sから徒歩10分(Bellagioからだと30分程度)の所にあり、ミニマムも安くて、楽しく遊べるのですが、如何せん交通の便が悪くて主戦場にはしませんでした。自家製ビールを醸造しており、3$程でビールが飲めますので(しかもパイントサイズ)、ビール好きでライドシェアを駆使する方は、めちゃくちゃありだと思います。ご飯も安く食べられるので有名です。

BJはPark MGM、CrapsはBellagioで主に実戦しましたが、今回はツキがなく、初めて旅行期間の通算で負けました。BJはそこそこ勝てたのですが、Crapsがずっと寒い展開が続いてしまい、片手千$ほどやられました。円安もあるので、円換算すると悲しい・・・誰も彼もすぐに7Outしてばっかりでした。

 

話変わって、大阪にもMGMがIRを開発することになりますが、IRという言葉がカジノに置き換えられて、一部の方は激しく反対されていらっしゃいます。ギャンブル依存症がどうこう、というのは置いておいて、MGM Groupは上場会社ですので、直近のアニュアルレポートを見てMGMがIRとしてどのような収益構造なのかを確認してみました。

これは売上の地区別の表ですが、地区によって全然趣きが異なります。ラスベガス地区では数千室の大規模ホテルを多く抱えており、コンベンションには全世界から人々がやってきます。また、シルクドソレイユを始めとした多くのショーや、世界中のグルメや有名シェフの店など近年は特に力を入れています。

そのため直近期の2021年度は、ラスベガス地区の収益はカジノが32%、ホテルが30%、料飲が21%、エンターテイメント等が16%となっており、カジノの収益がメインという訳ではありません。実際にホテルや街を歩いていても、カジノ以外の部分に力を入れていることが感覚的にわかります。滞在時でもボクシングの世界戦がありましたし、エアロスミスのライブもありました。NHLのプロチームもラスベガスが本拠地ですし、2020年にはNFLの名門レイダースもラスベガスが本拠地になっています。

アメリカ国内のその他の地区は行ったことが無いのでわかりませんが、マカオ地区のMGMは何回か行ったことがあります。そして収益比率がカジノで87%を占めているのは納得です。マカオのカジノはセキュリティゲートを通らなければ入れませんので、まさに鉄火場です。また、中国人の方は一般レベルの方でも賭け金が全然違いますし、クジラと呼ばれる極一部のVipが80%以上の収益を生み出している、なんていう話も聞きます(公表されているレポートではそうはなっていませんでしたが)。

ついでに補足情報として、ラスベガス地区のテーブルゲームとスロットの収益を見てみたいと思います。テーブルゲームからの収益が885百万$で賭け金に対する売上比率が24.6%、スロットでは1,417百万$で賭け金に対する売上比率が9.4%になっています。

BJはベーシックストラテジー通りにすればプレイヤー側の控除率は1%未満、Crapsも数%、ルーレットは5%程度、と確率理論上はなるのですが、こんなにもテーブルゲームで巻き上げられているんですね。不思議です。。

 

大阪もワクワクするようなラスベガス型のIRに是非して欲しいです。ラスベガスのMGM系列のホテルは、カジノの中心にバーがあって、その周りにカジノのテーブルやスロットがあり、一番外側にレストランがある作りが多く、ホテル間の連絡通路にも入りたくなるような店が沢山あり、とても考えて作られているなと改めて思います。

これはBellagio、内装や通路の高級感はさすがです。フロント横にはキャビア専門店のペトロシアンバーがあり、身なりのよい紳士淑女がシャンパーニュを飲みながらピアノの生演奏を楽しんでおられます。他にもピカソの絵が飾ってあるフレンチレストランや、高級ステーキ店、その他にも有名シェフのレストランが多数ありますが、残念ながら今回は負けてしまったため、そのどれも行くことはできませんでした。

こっちはPark MGM、カジノのど真ん中に大きなスポーツバーがあり、ここから放射状に広がっています。

2022年9月 ラスベガス旅行記③ 3年ぶりのラスベガス BellagioベラージオとMGMの会員特典やアプリについて

今回の旅行ではベラージオに宿泊することにしました。オーシャンズ11でもお馴染みの、ラスベガスを代表する噴水ショーをやってる所です。

ストリップの中心地でどこにでも行きやすいのと、ラスベガスでも最も高級な部類のホテルなので施設の手入れが行き届いており、客層もアッパークラスの方が多く、ホテルの雰囲気が好きです。

(その分カジノのミニマムレートは高いですが)

フロントにはMobile Check inの端末が沢山あって、以前のようにピーク時に何十分も並ぶことなくチェックインできるようになっているのですが、めちゃくちゃ空いていたのでアプグレを期待して、有人カウンターでチェックインしました。

リノベーションした一番普通の部屋(Premier King)で予約していたのですが、Tower Kingに一段階アプグレしてくれました。リノベした部屋は湯舟が無くなってシャワーだけなのですが、Tower Kingは湯舟があるので、長旅疲れにはありがたいです。

ベラージオは普通に取ればかなり高くつくのですが、とりあえずMGM Resortsの会員登録をしてください。一番下のランクのサファイアでも宿泊代のコンプがオファーされます。

私はGold会員(サファイア、パール、ゴールド、プラチナ、ノワールの順です。)なのですが、今予約をしようとすると以下のようなオファーがありました。

宿泊4泊無料、食事代100$、スロット150$のフリープレイ。

適当に2023年1月15日~21日で見てみると・・・

何と2,045$が198$になりました!!(ゴールド以上はリゾートフィーがかかりませんので、6泊で108$です。)

カジノホテルは金土の値段が平日の5倍や10倍に跳ね上がりますので、宿泊代コンプの威力は絶大です。サファイアでも2泊分無料になることもあるようです。

食事代のコンプですが、MGM系列のレストランならどこでも部屋付けできますので、部屋付けすれば自動的に充当されます。また、スロットのフリープレイはフロントに近い所に、メンバーズカウンターみたいなのがありますので、これやりたい、みたいな感じで言えば、設定してくれます。後はメンバーズカードをスロットに入れて、最低1$の現金をスロットに投入し、Free Playを選択すれば、フリー分は無料で遊べます。

今回は150$無料で200$ほど当たったので、食事代に充当しました、結構でかいです。

 

MGMはブラックジャックやスロットのアプリがあって、そこでゲームをすれば黄色いコインが貯まるので、それを利用すればバフェやスロットのフリープレイに交換することができます。頻繁にラスベガスに行く人は少ないですので、1滞在で3回分を交換するのが一般的かと思います。コロナの前はバフェの無料券があったのですが、今は無くなって2for1(1名料金で2名分、つまり半額)のみです。しかも、2for1はずっと売り切れで1カ月前から毎日のように確認しましたが、ついに1回も交換できるチャンスはなかったです。MGMアプリからの交換は渋くなりました。

今回はMGM Grandのランチバフェの2for1、100$の食事代コンプ、100$のスロットフリープレイに交換しました。金のコインはずっと使えなかったので、まだ250万ポイントほどありますので、次回以降も余裕です。

2022年9月 ラスベガス旅行記② 3年ぶりのラスベガス 気候、交通、治安、物価など色々編

色々と雑多なことを紹介していこうかと思います。

  • 9月の気候について ー 結構過ごしやすい

毎年6月にラスベガスに行くのが恒例でしたが、こんな事情なので初めて9月中旬から下旬に訪れました。6月は45℃は当たり前ですが、9月の中旬にもなると38℃前後と40℃は下回ることが多く、大阪の夏よりも少しは快適です。また、夜も結構涼しく感じます。6月の夜はドライヤーの風です。とはいえ、日差しは強く、外とホテル内の寒暖差は激しく、そして砂漠の乾燥具合は半端ないので、昔書いた記事ですが、今回も参考にして役立ちました。

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  • 空港からホテルまでの移動について ー タクシーがおすすめ(個人的に)

YouTubeなんかだと、空港からストリップ地区への移動はUberLyftが安くていいと言われているのですが、ちょっと歩いたり、エスカレーターやエレベーターで上がったり、大きな荷物を持っているのではっきりいってめんどくさいです。Ride Shareは需給関係によって運賃が変わりますので、到着便が重なるような時間だとめちゃくちゃ人がいて手配しても数十分来ないこともままあるようですし、どっちにしろ20数$はかかります。タクシー業界も頑張っていまして、少し前からホテルへの運賃は固定制になっています。今回宿泊したBellagioやその近辺は25$でした。荷物ピックアップしてすぐにタクシー乗れますし、チップ込みで30$の気持ちで思えば、不確実性を回避するためにもタクシーで十分なのかと。

  • ストリップ地区の移動手段について ー 基本的にはRTC(DeuceやCX)

基本的にはストリップ地区の往来は公共交通(RTC)のDeuceというバスを使えば十分です。運賃は3日券で20$。RTCのアプリ上でクレジットでも買えますし、主要なホテル前のバス停では自動販売機もあります。但し、お釣りは出ないようなのでピッタリお金を持っておく必要があります。5分~15分に1本程度24時間走っていますが、観光客用のバスなので乗り降りに時間がかかったりして、2,3台くっついて走っていることもあります。以前はSDXというラスベガスサインやプレミアム アウトレット ノースまで行く急行バスみたいなのが走っていましたが、コロナの影響で無くなってしまいました。今は、ラスベガスサインにはDeuceに乗れば近くまで行けます。

また、プレミアム アウトレット ノースへ行く方は以前はWAXというバスがNYNYの玄関前から1時間に1本出ていましたが、今はCXという路線名に変わっています。ハイウェイを走って10分程度で着きますので、ベラージオよりも南側のホテルに宿泊されている方は断然CXが便利です。因みにRTCのアプリ上でバスがどの辺を走っているかが分かるようになりましたので、ちょっと便利になりました。

 

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いちいち時間かかったり歩いたり邪魔くさい、という方は、どのホテルの玄関前でもRide Shareを呼べる場所が明示されていますので、そこから呼んでくださいませ。

  • ラスベガスの治安について ー 比較的安全に思うが、常に緊張感を持つべき

既に全世界から観光客が戻っており、Covid-19は過去の話になっていますので、人も沢山いますし、メインストリートから離れた場所を歩いたり、夜中に行動しない限りはそこまで怖さを感じないと思います。ただ、大麻だかマリファナだか、日本では嗅がないような葉っぱの臭いが至る所でしますし、ホームレスはそこら中にいますし、見るからにラリってる人も一定数いますから、目を合わさないことや、他の集団にくっついて歩くということは大事です。

昔からいるCDや写真を配っている黒人軍団は相変わらずいました。今回はMGM GrandとNYNYを結ぶ陸橋と、LinQホテルの前で見ました。最近でも日本人が写真を手渡された結果、すごまれてお金を数千$も盗られるという事案があったようです。当たり前ですが、絶対無視です!!

そして、10月6日の正午頃にはWYNNの前で連続殺傷事件があり2名の方が亡くなられたそうです。年に数回、このような痛ましい事件が起きますので、日本のようにスマホ見ながらフラフラ歩いたり、イヤホンしながら歩いたりはしてはなりません。周りの音や雰囲気にはアンテナを張っておく必要があります。

  • 物価について ー ラスベガスは元々物価高い。工夫で乗り切れることもある。

日本も物価上昇をかなり感じますが、アメリカの物価上昇は恐ろしく、直近では年率9%弱の上昇率となっています。日本人にとってはさらに円安効果がありますので、円換算すると物によっては悲鳴が出るほど高いです。

一例で言うと、レストランで飲む瓶ビールは、10$~12$というのをよく見ました(といっても、前からこんなもんだった気もします。)。これにVAT(消費税)が8.38%、チップは20%ほどは払う必要がありますので、HeinekenやCoronaで約13$、145円で円換算するとビール1本1,885円・・・やってられませんね。コンビニ的な所でも缶ビールは1本5$程しますので、酒税が高い日本のビールと比べても高いですし、アルコール類は種類を問わず総じて高いです。

なお、カジノホテル内の売店は滅茶苦茶高いです。誰が買うんだって思いますが、水500ml位のペットボトルが7$したり、コーラ1本5$とか考えられない値段です。水、お茶、スポーツドリンクは1日2,3本は飲むと思いますので、行きのスーツケースには重くなりますが、荷物の超過料金を取られない程度には水類を詰めていくのがおすすめです。これだけでかなりのコストカットになります。ストリップ地区でご飯を食べるとどんな値段になるかは、また別の機会に紹介できればと思います。

ストリップ地区にはCVSやWalgreensといったコンビニみたいな店もありますが、案外安く水を売っているのを発見しました。次からは水は持っていかなくても良さそうです(無糖のお茶はあまり売っておらず、あったとしても1本5$は平気でします)。500ml 24本で税込8.6$位ですので、1本50円ちょっとでした。

次は、宿泊したBellagioやMGM Resortsについて紹介しようかと思います。

2022年9月 ラスベガス旅行記① 3年ぶりのラスベガス 出発から到着編

2022年9月からやっと入国時の制限が大幅に緩和されたということで、2019年以来、3年ぶりにラスベガスに行くことができました。アメリカは2022年6月から2回ワクチンを打ってさえいれば入国できたのですが、日本もまだ不十分ではありますが追いつきましたので、気軽に海外旅行ができる状況になりましたね。

アメリカの大幅なインフレ、原油高、ドル円レートが145円近くまで円安進行するといった中で、どんな感じで旅行したかということで、自分の備忘も兼ねて書いていこうと思います。

まず、航空チケットの高騰に度肝を抜かれました。デルタ航空のゴールドメダリオンなので、アメリカに行くときは日系よりも安いデルタを利用しているのですが、シルバーウィークのチケットを6月末頃に取った時で、羽田⇒シアトル⇒ラスベガスのプレミアムセレクト(プレミアムエコノミー)で往復1名で30万円を超えています。2020年のチケットがそのまま残っていましたので、チケット代に充当し貯まったマイルを利用して現金自体はそんなに支払わなかったですが、2020年だと同じ旅程で約18万円位だったので、倍近くになっていました。

出発数日前に以下のようなメールがデルタから来ました。見てください。オールグリーンです。コロナなど何も気にせずアメリカに来てくれたまえ!というメッセージですので、テンションが上がります。

デルタのチェックイン時にはワクチンを2回打ったことを証明する書類が係員から求められます。接種証明アプリを持っていればその画面でOKです。羽田空港の国際線はかなり改修がされていて非接触でチェックインができるようになっていました(といっても、スタッフが横にずっとついていましたが)。これまでと違ったことは、セキュリティスタッフがいて、出国前にも最終目的地、滞在日数、目的、多量の粉を持っていないか等を聞かれ、パスポートにセキュリティチェック完了のシールを貼ってもらいます。

東京駅では並ばなければならない六厘舎もこの通り。SW初日でしたが、人影はかなりまばらでした。

ゴールドメダリオン会員はデルタのラウンジも使うことができます。出発まで時間がありますので、8月にオープンしたラウンジに向かいます。利用者はほとんど外国人の方でした。色々料理があって、バーカウンターもあります。日本的なカクテルを作ってくれます。もちろん全部無料です。担々麵のライブキッチンもあり、フードコートでラーメン食べなくても小腹は満たせます。

シャワーも使えますので、出発前に汗も流してお休みモードになれます。シャワーブースも5,6室程ありそうですので、すんなり予約できました。

 

休憩していたら搭乗です。本当はビジネスが良いのですが軽く100万円を超えていました・・・以前はデルタプレミアムセレクトはビジネスクラス並みの食事が出ていたということですが、改悪されてデルタコンフォート、エコノミークラスと同じ食事になりました。また、アイスクリームも数時間後のおやつで提供されていましたが、食事と一緒に出てきます。食事の味は・・・期待していませんので、こんなもんか、という程度です。

飛行機の中で映画鑑賞をする方は多いかと思いますが、日本語或いは日本語字幕がついている映画はかなり少ない印象を受けました。邦画は1本しかありませんでした(伊丹十三監督のタンポポ)。ゲームも無くなりましたので、時間潰しになるSUDOKUも出来ず、飛行機で寝れない身としては行きは8.5時間、帰りは10時間、中々辛かったです。

なんだかんだでシアトルに無事到着。シアトル・タコマ空港の雰囲気が前と全然違うな、と思っていたら、この6月にリニューアルしたようです。

で、問題なのが入国審査。これまであったESTA取得者の優先レーンが無くなっています。私は幸いに早く荷物が出てきたのでダッシュで列に並び45分程度で入国できましたが、午前の到着便のピークタイムに到着しますので、場合によっては列が空港内部から駐車場まで続いて3時間以上並ぶようです。Twitterでもめちゃくちゃクレームになっていました。チケットを別切りで購入している方は、相当余裕を持って乗り継いだ方がいいかもしれません。

入国審査でも某大国の方のとんでもない暴挙を見ました。60代位の夫婦が、審査官まであと2,3組の所にいる同国の若者に、なんか叫びながら割り込んで順番抜かししていきました(その数20組ほど)。そして嬉しそうに入国審査を抜けて行っていました。どういうモラルなのか・・・

シアトルからラスベガスまでは約2.5時間、なんか寝不足で頭が重いですが、ラスベガスの空港につくと一気にテンションが上がります。ちなみに、マッカラン国際空港からハリー・リード国際空港に名前が変わっています。

次に続きます。

 

日本M&Aセンターの調査委員会報告書に覚える違和感について

先日、M&A仲介最大手の日本M&Aセンターで過去5年間で83件の売上高不正計上が発覚したということで、2022年2月14日に調査委員会報告書が公表されています。今年は大企業で目立った不正が多いな、と思いながら報告書を読んでみたのですが、読んでいると違和感を覚えずにはいられませんでした。かなり大きく報道されていますので、読んだ方も多いと思いますが、皆さんどのように思われたでしょうか。大きく4点ほどあります。

 

①調査委員会のメンバーに監査等委員である社外取締役が選出されていること

この調査委員会の立ち位置がまず良くわかりません。外部の弁護士を中心に調査をされているのですが、日本弁護士連合会の「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に沿ってメンバーが選定されているかがわかりません。同ガイドラインには社外役員は、直ちに会社と利害関係を有するとするのではなく、ケースバイケースで判断するとあります。

今回の場合はどうでしょう、監査等委員はあまり聞き慣れないかもしれませんが「取締役」です。従って、取締役会では議決権を有しており、毎月の取締役会で起案される議案に賛否の意思決定を行っているため、いくら社外取締役とはいえ、利害関係が無いというか、当事者そのものではないでしょうか。なので調査委員会の立ち位置がよくわかりません。

また、監査等委員による監査が実施されるのですが、監査等委員監査は取締役会により決議された内部統制システムを利用して監査を行うこととなっています。調査委員会報告書では再発防止策の提言も大きなテーマとなるのですが、有効な内部統制システムを構築するための具体的な提言がなされています。つまり、有効でない内部統制システムを利用して監査をした立場の人間が、再発防止策の提言を行っており、どんな立場で提言しているのかがよくわかりません。(自らへの戒め??)

 

②不適切報告に「架空案件」は無かったという結論

83件の取引について不適切な報告があり、うち70件については期ズレで売上が計上されたものの、13件については、一旦売上を計上して(取引の不成立等により)最終的に売上を取り消したということです。

報告書ではここをさらっと流しており、売上計上してから何らかの理由で売上取消をする実務となっていた、と記載されているのですが、監査法人と合意している筈ですが、このような売上計上自体が問題にならないことが不思議です。最終契約書の締結時点とディールブレイカーと呼ばれる取引が不成立となる時点を各担当者が判断した時点で役務提供が完了しているとのことですが、結局13件は取引が流れたり入金がなかったりで売上が取り消されています。

一般的にも収益認識基準的にも、一度売上を計上すれば、よっぽどのことが無い限りは売上を取り消すことはないのですが、13/83=15.6%もの取引が取り消されていて、架空売上とはいわないのですね。収益認識基準の当てはめは専門的すぎるので割愛しますが、事実として売上を計上できないにも関わらず、売上を計上することが架空売上だと捉えているのですが、私の感覚は違うでしょうか。これこそ不正会計の温床になるべきものだと思いますが・・・

 

③不正の発生要因がピンと来ない

経営陣は今回の不正に関しては一切の関与が無かったという結論となっています。481名のうち約80名が関与しており、組織的な不正であることは間違いありません。ただ、発生要因は個人的なインセンティブは寧ろ副次的なもので、部や個人としての業績達成を行い経営陣の期待に応えたいという心理的な欲求が重要な要素となり不正を行ったとあります。

不正を分析するときには不正のトライアングルという有名な理論があります。機会、動機(プレッシャーやインセンティブ)、正当化という3つの要素で考えるのですが、組織的に不正が行われておりますので「機会」はあります、部門や会社のために(嫌々ながらも)不正をする、そもそも余り悪いとも思っていない「正当化」があります、ただ、「動機」の部分は会社は急成長していて経営陣の期待に応えたいという心理的な欲求があったため。となるのですが、普通の精神状態であれば、経営者の期待に応えたい、「コロナに負けない」「コロナを言い訳にしない」という思いで営業部長を始めとして80名もの社員が不法行為を行うまでには至らないように思うのですが、本当の所を勘繰ってしまいます。

 

④再発防止策を受ける側の監査等委員が、再発防止を提言することにやっぱり違和感

再発防止策の9番目に監査・監督部門の体制強化、とあり、内部監査担当者は他部署を兼務している2名のみで、この体制では実効性のある監査は難しいとされています。

子会社や持分法会社が14社あって、従業員が800名以上いるのに兼務2名では脆弱と言わざるを得ないでしょう。ましてや、インセンティブ報酬が発生する給与体系となっているため、売上に関連する内部監査は特に重点的に実施する必要があるはずですし、内部監査が適切に実施されていれば、今回の不正は防げた可能性が高いと思われます。

また、監査等委員との定期的な報告に加え、適時報告の機会を設けて緊密な連携を図ることや、内部監査室の監査内容について、取締役会への定期的な報告等が必要である、というような趣旨のことが書いているのですが、これは内部監査と監査等委員監査をする上で必須の手続きなのですが、これまでなされていなかったのでしょうか。

有価証券報告書を見ると内部監査や監査等委員会監査はばっちりできている体制となっているようですが、実態としては監査等委員会の監査手続(少なくとも内部監査が適切に実施できていない状況を是正できていない)としても不十分だったように見受けられます。なので、自ら再発防止策を提言するのって、どうなのかな、と思ってしまいます。

 

少し話の趣旨は変わりますが、日本M&AセンターはJ-Adviserの資格を有しています。TOKYO PRO Marketへの上場を目指す企業は、東証に代わってJ-Adviserの上場審査を受け、審査をパスすればTOKYO PRO Marketへ上場することができます。

上場を目指している会社に不正を許さない内部統制の構築を促したり、内部監査を適切に実施するように、というようなことを指導していくわけですが、自身が組織立った不正会計という反市場行為を行い、この先どのようにクライアントに対応していくのでしょうか。東証としてもどういう対応を取るのかが気になります。

グレイステクノロジーの粉飾決算を巡って思うこと

最近はブログを書く人も少ないでしょうから、特に書くこともなかったですが、Newsなんちゃらというアプリからの引用で、本も何冊も出している有名な方が、決算書を見ればグレイステクノロジー(以下、G社と書きます)の粉飾はわかったかもしれないということを書かれていらっしゃったので、粉飾というのはそうじゃない、ということを、こっそり知っていただきたいので久しぶりに書くことにしました。

その有名な方曰く、債権の回転期間の長期化は粉飾の端緒と示すものだ、だが、翌期には資金が回収されている・・・(だったら不正の端緒は無くなっているのでは?)

では、一人当たり売上高を見ればどうだろう、すごい増えているから、ここを見れば粉飾しているかもしれない、と、気付くかもしれない。(債権が回収されていれば、そんな話にはならないのでは?・・・)

会計監査をしたことないのだと思うのですが、そんな適当な想像は書かないで欲しいです。世の中に一人当たり売上高が爆増している会社なんていくらでもあるでしょう。

監査意見は財務諸表分析をして出しているのではありません。まずは監査計画を立てます。この会社にはどんな特徴があって、どんなリスクがあるかを見極めます。そのために財務諸表分析を使うのは事実です。年間でどのような監査手続をすれば良いのかを詳細に詰めていき、その中でも売上は必ず不正リスク(粉飾リスク)が最も高いものと位置づけます。

取締役、営業部長、社員の方まで、ありとあらゆる人が内部統制やルールを守らない悪人として捉え、どんな悪いことをして粉飾をするかを想定して、それをどうすれば見つけられるかを腐心しながら監査手続を策定していきます。

貸借対照表の残高も当然に抑えにいきます。金融機関や取引先への残高確認を入手することができなければ、のっぴきならない事情が無い限りは監査意見を出すことはできません。在庫は棚卸立会をして押さえますし、固定資産は実査をして現物の確認を行います。その他の重要な勘定残高は残高を抑えに行きますし、損益計算書の項目も当然に取引テストをし、分析をして重要な虚偽表示がないかを一つ一つの勘定科目に落とし込んで監査していきます。

某T社の粉飾決算や、よくある話では在庫、固定資産、のれん、そういった資産が投下資金を回収できない場合の見積り、つまり減損会計をどのように適用するかで監査法人と戦うことになります。過去、現在、将来の事業計画の妥当性を戦わせながら粉飾していくわけです。そういった場合、粉飾したい側には相当の手練れが必要なわけですが、相当な手練れを引き寄せられる大規模で資金が潤沢な会社がそういうことをするでしょう。某T社もそうでしたね。

では、G社の場合はどうでしょう。

担当していた監査法人は乱暴に無能といって良かったのでしょうか。必要な手続きをして尚、不正を発見できないことは無能なのでしょうか。(メディアの論調はいつもこうですね、監査法人は必要な手続きはしていた、だがそれでいいのかと・・・)

三者委員会報告書は125ページほどの大作でありましたが、これは答えなので、監査現場では知らないものとして捉えなければいけません。

 

G社の場合、粉飾の多くは実態を伴わない架空売上でした。見積書、発注書、契約書、検収書といった売上検証の基礎資料の偽造がありました。監査人は偽造を見破る専門家ではありませんので、会社から提出された資料を是とするのは監査手続としては問題ないはずです。

この場合何が起こるかというと、一般的には架空売上であるため債権が回収できないという問題が起きます。従業員がこれをすると、普通は数千万円で資金が枯渇するでしょうから、雪だるま式に大きくなることがありません。一時期問題になった循環取引も雪だるま式に大きくなる性質がありますが、今の監査手続では詳細には言えませんが、基本的にはカバーされています。

ただ悲しいかな、前例を見ないほどのモラルの無さで創業者の社長や取締役という上級経営者が不正に加担し、自らの株式やストックオプションを通じて得た資金を自転車操業するという方法で雪だるまは大きくなりました。創業者がお亡くなりになったことでこの不正は成立しなくなりましたが、存命であれば、あと何年も何十億円も不正は続いたでしょう。

周到に準備された売上に関連する資料、外注先への偽造された資料、多額に及んだとしても回収されてしまう売上債権の回収、そして質問をすれば最もらしい回答が返ってくる・・・自分が担当して不正を見つけられるかは正直自信がありません。怪しい端緒は掴んでいることは第三者委員会の報告書からは伺い知れましたが、決定打はありませんし、今の監査手続はお金持ち経営者が自爆不正することを想定できていません。

某元会計士は、粉飾先の会社に「おたくはこの会社とこんな取引をしているか??」と聞けば不正なんてすぐに見つかる、ということを仰っていましたが、監査法人は監査契約を前提に仕事をしているのであって、国税局のように反面調査をするような強権的な権利は何ら有していませんから、そのような監査手続は無理です。

ただ、そうであっても監査法人は不正を見つけていかねばなりません。

G社の場合は常勤監査役が元営業担当者で、そもそも常勤監査役としての地位を得る資格があったでしょうか。社外取締役や社外監査役には公認会計士や弁護士は一人もいませんでした。調べたことはありませんが、恐らく上場会社でそのような会社はほぼないでしょう。そのようなガバナンス体制に対してどのようにアプローチしていたでしょうか。また、内部監査担当者は事業部門と兼務しています。JSOXの監査を実施する際には、監査法人の手続として内部監査の業務に依拠することがありますが、内部監査の実施状況はどうだったでしょう、内部監査について十分に評価していたでしょうか。ちなみに2022年2月に不正による第三者委員会の報告書が出た買収や事業承継を仲介とする某上場会社も内部監査は不十分だったようです。

そして、極めつけは創業社長の配偶者が管理部門の重要な役職に就いていました。相当昔から管理部門に創業者の親族が関与することは上場審査上で最も忌避されることと認識していますが、なぜかG社では許されており、しかも上場審査も通っています。建前上は、組織図に存在しない総務部長という役職だったそうですが、往査をしていて社長の配偶者が管理部門にいることに疑問がなかったでしょうか。絶対に許容されることではないという認識は相当数の公認会計士は有しているでしょう。

三者委員会の報告書を読む限りは、創業者の社長と監査法人の間にはコミュニケーションの余地がなかった(つまり、監査法人のことを相当軽視していた)ように記載されていますが、監査法人側は経営層に対してどのように接して、どう感じていたでしょう。

(他にも、毎期毎期30%程度で伸びていく事業に対してどのように評価していたかということに興味はありますが、専門的な事業の話は、監査人は事業の専門家ではないので、会社の説明が合理的であれば、一定の合意をせざるを得ないかと思ったりします。)

と、直接的な不正を検出することは難しいのですが、企業の内部統制の権威として有名な先生は、内部統制を構成する要素の一つとして「統制環境」が最も重要だ、と事あるごとに発言されておられます。

行きつくところ、このような従来想定していないような不正に対しては、経営者の姿勢や統制環境を突き詰める、会計監査人・監査役・内部監査の三様監査の実効性を上げるといった監査手続が最も必要だと考えます(といっても、G社では監査役も内部監査も機能していませんでしたが・・・その状態を是正することを含めてです)。

コロナ禍でリモート監査が増えており、監査対象会社に往査する機会が相当数減っています。G社の場合は数年前から不正は続いていたのですが、直近で不正の金額が増加していたり、他の会社でもニュースになるような不正粉飾が増加しているように感じます。

日々のミーティングや会議はwebでこなせるようになりましたが、監査はAIとリモート業務に任せてよいのでしょうか。AIの監査ツールに仕訳や試算表を読ませると不正がわかるそうです。リアルタイムで起きている新種の手口も網羅的に100%検出してくれるのでしょうか・・・個人的に信用できません。

監査は英語でAuditですが、綴りの通り、聞くこと・聴取することが起源となっています。監査人が経営層や重要な役職者とよくコミュニケーションをし、一定数の往査を行うことで、常にチェックされているという緊張感を被監査会社に持っていただくことが、入り口として重要な不正を防止することになるのではないかと思う今日この頃です。