お酒大好き会計士・税理士のつぶやき

大阪で会計事務所を営む公認会計士・税理士です。自分の趣味や社会の出来事、特に会計や税金について書いていこうと思います。旅行も好きです。ラスベガスに毎年行くのが目標です。

民泊の規制緩和なんてしなくていい。問題が多いので、規制強化か、民泊禁止検討を望みます。

民泊に関してこんなニュース報道がありました。YOMIURI ONLINEの記事を引用させていただきます。

政府は25日の閣議で、マンション空き室などに旅行客らを有料で泊める「民泊」について、滞在日数要件を「6泊7日以上」から「2泊3日以上」に緩和する政令改正を決定した。
 31日に施行する。改正政令には民泊事業者に対する〈1〉宿泊者名簿の備え付け〈2〉近隣住民との調整――の義務を明記した。
 山本地方創生相は記者会見で「観光客の宿泊ニーズに、より柔軟に応えられる」と述べ、民泊の利用増に期待を示した。
 民泊は国家戦略特区の区域計画が策定されている自治体などに限って認められており、現在は民泊条例のある東京都大田区大阪府で利用できる。

●ホテル不足という大義名分の下、犯罪者の肩を持つな
上の記事にあるように、民泊の要件が緩和されるとのことです。民泊なんて制度は禁止でいいです。旅館業法で営業が認められるようになったそうですが、ほとんど全て(某テレビ番組では99%以上と言っていました)の民泊事業者が違法営業状態であるとのことです。上場会社ですら適切な許認可を受けておらずに処分されている有様。
違法営業者に対しては、警察や自治体は取り締まりをしなければならないはずですが、何故犯罪者の肩を持つのでしょうか。

民泊というのは、家を持っている人が、空いている期間に稼働しないのが勿体ないので、宿泊したい人に貸すということで、とても有意義な制度だ思います。けど、本来的な意義としては、別荘で使っていない時期を有意義に使ったり、滅多にいけない場所や別荘に泊まることが出来るという貴重な体験を演出する制度だったんではないでしょうか。それが、今では、観光客が増えてホテルが足りないという大義名分のもとで、国が主導して民泊を推進しています。超目立つ違法営業以外には目を瞑ったまま。

●住環境を乱すな、管理規約を守れ
なぜ、私が民泊が禁止でいいと思うかというと、所有する不動産を賃貸しているからです。何年か前に、大阪の一等地と呼ばれる所にマンションの一室を買って、小銭を稼がせてもらっていますが、勝手にマンションの一室を民泊にする人が多いとよく聞きます。私も、たまたま、用事があって貸しているマンションに行ったときに、中●人と思われる旅行者一行がマンションの中から出てきて、衝撃と憤りを覚えました。

一棟を所有するオーナーであれば、賃借にするか民泊にするかなんて自由であり、儲かる方を選べばいいでしょう。しかし、殆どの分譲マンションでは、管理規約で民泊は禁止されているはずです。金儲けをするために、ルールを破るなんていうのは到底許すことができません。自分が住んでいるマンションに、ある日から、隣の部屋に見知らぬ人や外国人が来て、朝までどんちゃん騒ぎをされて、知らない業者が掃除のために出入りをし、共用部分にたむろされ、色んな部分を汚されたら、どう思うのでしょうか。コミュニティの一員として、自治を守らなければいけません。それができないのであれば、出ていくべきであり、違法営業など以ての外です。民泊制度は、周りとの和を尊ぶ日本人の精神性には合っているとは思えません。

●住む家が無くなって、後々自分たちの首を絞めることになる
フランスで今まさに起きている現象ですが、フランスの都心部・中心部からは賃貸用の物件がみるみる消えているということです。年間で8,000万人もの観光客が訪れる国です。賃貸で貸すよりも、民泊用に転用して、毎日のように旅行者から賃料を取る方がよっぽど儲かります。そんな理由で、フランスの中心部の物件はどんどん値段が上がり、賃料が上がって、便利な所には地元の人が住めなくなりました。日本も観光立国を目指した結果、自分達の住む家がなくなるなんてことにもなりません。一等地のタワーマンション。住人は殆どおらず、ほとんどが宿泊施設と化している。セキュリティ重視の物件のはずなのに、色んな国の人が我が物顔で歩いている。人も子供もいなくなって、学校も潰れてしまった。なんていう未来では笑えません。

●脱税の温床になっている
ほとんど全ての民泊事業者と言われる人々は違法営業だと書きましたが、同時に多くの人は無申告の脱税事業者だと思います。フランスではたった15%の人しか納税していないとのことです。民泊仲介サイトを通じて、個人から個人に金銭が授受されるだけです。お小遣い感覚だと思っている人が多いのかもしれませんが、所得金額が20万円を超える場合には確定申告をする必要があります。事業者として登録するには、税務署に対して開業届等の各種書類を届け出る必要があります。個人間の金銭授受であるだけでなく、仲介サイトも本名以外でも登録出来るサイトもあることから、課税庁側も所得を追跡するのが難しいビジネスです。民泊事業者の推進をするのであれば、同時に、不当な所得を生じさせない仕組みを作らなければなりません。最低限、仲介サイト側から源泉徴収を行うなどの手立ては必要だと思います。

●最後に
個人的な意見としては、民泊制度が、観光立国を目指すにあたって有用だとは思えません。ホテルがないから、その辺の民家に泊まってくれよ、なんていうカジュアルな考え方はうまくいかないでしょう。特に日本人は、音やマナーや近所付き合いに敏感です。
新築ホテルを建設するには莫大なコストと建設までの時間がかかり、事業のリスクが大きいため、宿泊施設を増やすには民家を使えばいいという流れでしょうか。偉い人が沢山集まって考えていると思いますが、安直だと思います。実際、違法営業者しか生み出せていません。空き家の活用といっても、近隣トラブルがくっついてきて、うまくいかないかもしれません。
廃業したホテルや旅館へのリノベ等の投資に関して優遇政策を行うとか、新規のホテル建設には補助金や税制優遇を与えるとか、商業ビルをホテルに転用するのに補助金が出るとか、空き家をうまく活用することに補助金が出るとか、民泊のように革新的な考え方ではないですが、月並みでベーシックな政策こそが宿泊不足を解消する近道なのではないでしょうか。